Ultima VI:The False Prophet(偽りの予言者) Compendium(ブリタニア概論) I, Lord British, write this exhortation in my own hand that you, my virtuous Champion and Avatar, might gain a full appreciation of the significance of the times which face us. Though evil has often raised its rebellious head, I fear we now face a threat far greater than any yet encountered. In the past, you and your companions have risen faithfully to the challenge, undaunted by overwhelming odds, unwavering in your adherence to the Path of Virtue. We place our trust in you once more. As though seeking vengeance against the Light, the forces of Darkness have renewed their malevolent aggressions. Not content to remain in their own realm, demonic emissaries from the Underworld have begun making incursions into our land. It is fortuitous that you have returned to Britannia in these perilous times. Study well the words which follow, for they are essential to your quest. And that quest is essential to the continued existence of the human race. For more than a fortnight I have dictated my thoughts and admonitions to the venerable Moebius, Keeper of the Libraries of the Lycaeum. He has scrupulously recorded every word and, When called upon, made illustrations to aid your understanding. I have affixed my seal to this letter to assure you that these are indeed my Words. Take them to heart. Heed my counsel. Gird yourself with the infinite wisdom of Truth, Love and Courage, for at the end of your quest lies a destiny foretold in ancient times: "One shall arise who possesses the strength of an army, the vision of a prophet and the heart of a saint. This Great One will bring an end to the struggle between the Darkness and the Light." Pray that you are, indeed, the One, for should you fail, the Light of life will surely be extinguished and Darkness will reign forevermore. Lord British Sovereign of Britannia  余、ロード・ブリティッシュは、今日我々が直面している問題の重大性を、我が国の英雄にして聖者アバタールである貴君に理解してもらうために、ここに自ら筆をとるものである。我々は幾度となく侵略の魔の子にさらされてきたが、今回はこれまでのものに比べて数倍も手強い敵と対峙することになった。過去、貴君とその同志諸君は、余の要求に誠実に応え、徳の道を堅持しつつ一騎当千の活躍で敵を一掃してくれた。そこで今一、我が民は貴君に強い期待を寄せている。  あたかも闇夜が陽光に復讐を挑むがごとく、忌まわしき暗黒の軍団は、またしても我が国に攻撃をしかけてきた。彼ら悪魔の申し子たちは、不浄の領土を拡大せんと、我が国に本格的な侵攻を開始したのだ。だが、幸運なことに、またも貴君をブリタニアに迎えることができた。ここに記されている内容は、今後貴君の戦いに必要となる情報である。そして、貴君の戦いのいかんによって、われら人類の存続が左右されるものと心してほしい。  余は、ライキューム図書館の管理人として信望の厚いメビウスに二週間以上にわたる協力を要請し、余の思うところ、また貴君への警告を口述筆記させた。メビウスは、余の言葉を一言一句もらさず正確に書き写すとともに、必要と思われる部分に挿絵をくわえるなどして、このように立派な本に仕上げてくれたのである。余はこれに余の印を添えて、この書が余の言葉によるものであることを証明する。どうか、この書を精読し、余の助言を心に刻んでほしい。  またも戦いと探求の長旅になろうが、今回はこれまでにも増して、真実と愛と勇気の無辺の智が重大な鍵となる。なぜなら、この旅の終わりに貴君を待ちうけている運命が、すでに太古の昔より、こう予言されているからだ。  「軍隊の力と、予言者の目と、聖人の心を持つものが現れる。この者により、闇と光の争いは終結に導かれる」  貴君の運命が予言どおりになることを、世は願ってやまぬ。万が一貴君が挫折するようなことにもなれば、光は消え、世界は永遠の闇に閉ざされることになるだろう。 ブリタニア国王 ロード・ブリティッシュ 目次 ブリタニアの歴史  暗黒時代とブリタニアの歴史  アバタールの登場  シャドーロードの転覆  ガーゴイルの脅威 ブリタニア王国  行政と研究の中枢  主要都市  その他の地域 市民生活  市民との交流  経済 冒険の呼び声  戦士道  吟遊詩人道  魔法道  アバタール道  パーティーによる冒険  ブリタニアの交通  パーティーによる戦闘  パーティーの休息  経験とレベルの昇格 宇宙論  魔法使いの奥義  呪文の体系  呪文の化学  魔法の響き 呪文の言葉 あとがき 付録  戦闘のための道具  防具  武器  生物図鑑  魔法の8つのサークル ブリタニアの歴史  我等がブリタニアにおける余の統治は、すでに数世代にわたっている。遠い故郷からこの地へ余を導いたのは、ムーンゲートであった。余と同郷の貴君もまた、ムーンゲートを通ってここにやってきた。余がそのムーンゲートの謎を解明したのはもうずいぶん昔のことになる。貴君もよく承知のとおり、ムーンゲートを通ってブリタニアにやってきた人間は、この地ではまったく異質の存在である。それを証明する事実として、ここにいる間、我々には老化を防ぐ抗体が作用して、地元の人間にくらべて年の取りかたが非常に緩やかであることがあげられる。もっとも、年を取らないからといって、不死身になったという訳ではないから、そこを履き違えると大変なことになる。  余がこの地にやってきた頃は、この世界はソーサリアと呼ばれ、いくつもの都市国家や地方豪族などが戦火を交えていた。余がブリテインという都市国家の領主(ロード)となり、そこに秩序と平和と繁栄を植え付けるようになるまでには、そう時間はかからなかった。そして、ブリタニアの王、ロード・ブリティッシュの名を戴くに至ったのである。余の指導のもとに、国も国民も繁栄と発展を享受することができるようになった。だがそこには、悪の勢力による受難の時代が待ち構えていたのである。 暗黒時代とブリタニアの設立  過去において、悪の勢力が台頭し我が領土を窮地に陥れたことが3度あったが、そのつど余の求めに応えてくれたのが貴君であった。そしてそのつど、悪は退散した。 第一暗黒期  暗黒時代は、悪辣非道の魔法使いモンデインの台頭で始まった。不死身の肉体と暗黒世界の支配力を得んがため、実の父親までも殺害するという凶悪な男だった。余が闘士を求め貴君が応えてくれたのは、このときが初めてだった。貴君はムーンゲートを通ってこの地を訪れ、モンデインの邪心を打ち砕いてくれた。 第二暗黒期  その後の平和はつかの間であった。モンデインの弟子であり妻であった若き冷血魔女ミナクスが、血に飢えた激情のままに暴れだしたのである。全国の魔性の生物は彼女に隷属して一斉に蠢動を開始し、ソーサリアの人々に大惨事をもたらした。そして、再び余の求めに応えてくれた貴君は、怒涛のごとき怪物軍団を退治し、ついには主領ミナクスも成敗したのである。 第三暗黒期  貴君の成敗を受ける以前に、モンデインとミナクスは、永遠の生を得るための恐ろしい計画を進めていた。そして生み出されたのが、エクソダスという“子供”だった。これは人間でも機械でもない。モンデインとミナクスの邪気悪念をすべて吸収した悪の波動であった。  それは暗い大洋の深海から姿を現わすと、各地に向けて復讐の嵐を巻き起こした。それに対抗して、貴君は、永遠の神秘である時の神タイムロードの助けを借りてエクソダスを倒し、遠くモンデインに始まった陰鬱の時代に終止符を打ったのだ。  このように貴君は、勇敢にも3度にわたる救援に応え、3人の悪魔を打倒し、その後の世界の驚栄と平和への礎となってくれた。そして貴君の活躍により、余は点在していた都市国家をブリタニアとして統一し、ブリタニアの王、ロード・ブリティッシュとしてこの統一国家を治めることとなったのである。 アバタールの登場 アバタールの記録より  ブリタニアから陰鬱と絶望の空気が吹き払われると、人々は繁栄に向かって邁進した。余は、社会の物質的精神的発展を目指して数々の奨励策を展開した。芸術科学の発展振興のための施設の設立などもその一環である。文芸復古が盛んになったこの時期、かつて都市国家を形成していた8つの主要都市は、それぞれが町ぐるみでひとつの徳目を信奉し追及するようになった。これらの都市は、今日では堅忍不抜の精神の象徴的存在となっている。  しかし、これらすべての大規模な文化的運動には、それを正しい方向に推進するための手本が必要だった。そこで余は、人々の前に立ち、徳の道を示すことができる人間を募ったのだ。そして、これにも、誠実で純粋な精神をもって貴君が応えてくれた。しかも、自ら進んで難解な徳の概念を解き明かし、究極の知恵の写本を発見するという偉業を成しとげ、徳の体現とされる聖者アバタールの称号を授かった。  写本は、すべての人々がその教えを享受できるように、地下迷宮グレート・ステイジアン・オブ・アビイスの深奥より掘り出された。これにより、人々の精神に大きな変化がもたらされたが、同様に、この大地にも物理的な変化が起きたのである。大洋の底から新しい島“アバタールの島”が隆起し、それがブリタニアの地下に巨大な空洞を出現させたのだ。この急激な地殻変動が落ち着きを見せた後、アバタールの島に神殿を建立し、写本を奉納したのである。 シャドーロードの転覆 ブラックソーンの圧政  ところが悪いことに、地底より究極の知恵の写本を持ち出したことは、宇宙の均衡を崩す業因となってしまった。そして、モンデインの暗黒の宝珠の破片から3人のシャドーロードを生み出す結果とあいなってしまったのである。シャドーロードは、まさに徳の心が作り出す影とも言うべき、暗黒世界の使者であった。その卑第な策略に陥れられた余は、図らずも地下世界のダンジョンに幽閉され、思惑どおりブリタニアから余を排除したシャドーロードたちは、歪んだ正義の名のもとにブリタニアの要人に圧政を強制したのである。その中心となって人々を苦しめたのは、かつては人々の尊敬を集めたロード・ブラックソーンであった。彼はシャドーロードの悪念に取りつかれ、彼らの代理人に成り下がってしまったのである。  しかし、またしても貴君の天性の機転と写本の導きがブリタニアを救ってくれた。貴君は、真実と愛と勇気の三原理でシャドーロードを撃退し、ブラックソーンを失脚させることに成功したのだ。貴君の協力によって、余はブラックソーンとその手下となって彼に協力した者どもを処罰し、再びこの神聖なる王座につくことができた。  余の生還はしかし、またしても大規模な地殻隆起を誘発し、余が捕えられていた地下世界の崩壊を引き起こした。その後しばらくの間、ブリタニアは、相次ぐ地震や地殻変動などの災害に見舞われ多くの被害を出したが、それもやがて治まり、なんとか現在の静かなブリタニアに戻ったのである。 現在 ガーゴイルの脅威  大変動直後の、まだ不安定な地下世界に最初の調査団が入ったときである。これまで長い間伝説の生物と信じられていたガーゴイルの実在が確認された。その存在が確認された当初、ガーゴイルはその棲息地内での生活を守っていたが、次第に我が領土に頻繁に姿を見せるようになり、人々に危害を加えるようになった。  ガーゴイルはまさに魔性の怪物だった。彼らはまず我々の神聖なる神殿や啓発の場などを占拠し、小さな村や民家に探夜の奇襲をかけた。そのため、多くの人々が家を追われ、村々は荒廃していったのである。そこで、町や政府機関がガーゴイルの侵攻を阻止すべく軍隊を組織して対抗しようと試みた。どの軍隊もサーパンツホールドの出身者で組織された精鋭部隊だが、格段に体力が上回るガーゴイルに対して、まったく歯が立たない状態が今もって続いている。  ガーゴイルの戦略を分析するに、彼らは何か重要なものを探しているようである。また、貴君の殺害をも目的にしているとの噂も流れている。だが、その理由は皆目見当がつかない。  余は重ねて貴君に懇願する。貴君の身の安全のためにも、これより先に記されたことをよく読み、現在のブリタニアがいかなる状況に置かれているかを、また残忍極まるガーゴイルによって引き起こされた人々の苦難を、余の言葉から十分に推察されたい。 ブリタニア王国  ブリタニアの王である余も、このブリタニアの豊かな景観に心奪われることしばしばである。だがそこには、侵略者に抵抗して命を落とした多くの英霊の血が染み込んでいることを忘れてはならない。ブリタニア北東部の“血塗られた平原”ブラディープレインを訪れたなら、余の言わんとすることを実感するであろう。道中はくれぐれも注意するように。美しい景色に見とれてばかりいると、必ずや恐ろしい教訓を得ることになる。 行政と研究の中枢 ロード・ブリティッシュ城  ブリタニアの中心である我が城は、サーパンツスパイン山脈の堅固なる守りを背景にしてブリテインの町を見下ろしている。大理石の部屋部屋を回れば、余の趣味やコレクションなどを見ることができるであろう。  遠隔地には城の出先機関を設けて住民の便宜を図っているが、だからと言って余は、余に直接相談を持ちかけて来る者を追い返すようなことはしない。相談者の必要に応じて、必ず話を聞くようにしている。それから、城には貴君の部屋を用意してある。長くなるであろう旅の基地として活用してほしい。 ライキューム  ライキュームとは文化会館のことだが、文化会館のある町の名ともなっている。この会館の壁には、我が国最大規模の知恵と知識が埋め込まれているのである。ベリティー島北西部の丘陵地帯に位置し、図書館、研究所、学校などが完備され、真実を追及する者にとってはまさに天国だ。年に4回、ライキュームの迷路のように入り組んだ部屋部屋を使って魔法使い秘密学会が開催され、奥儀の交換が行なわれる。ここを訪れた際には、ぜひ天文台に寄ってほしい。天文観察のために、天文学者たちが丹精込めて磨き上げたレンズを使った最大級の望遠鏡がある。 エンパスアビー  アビーとは修道院のこと。ここは、俗界から離れ、瞑想と沈思に身を預けた修道僧で組織されている薔薇修道会の本拠地である。片方をディープフォレストの森に囲まれ、もう片方を海に面するという辺境の地にあって、北西ブリタニアの平和の灯台とも言える役割を担っている。近くにはユーの町がある。修道僧たちはまた、ワイン作りにも長けており、我が国の最高名柄のひとつがここから産出されている。これにより、彼らは禁欲的な生活形態と強固な経済的な基盤を同時に維持することに成功しているのである。 サーパンツホールド  名誉と武勇と勝利の砦サーパンツホールドは、ディーズ島に設立されたシルバーサーパント騎士団の本拠地であり、かつまた、ブリタニア市民軍の訓練場でもある。これまでに、数多くの勇敢にして高貴な精神を持つ戦士たちが、ブリタニア防衛のためにこの島から出撃している。訓練兵の指導にあたっているのは、百戦練磨の戦士や現役を退いた英雄たちである。彼らはボランティアとして、さまざまな戦術を後進に伝えている。先日、ガーゴイルの侵攻を阻止すべく、多くの優秀な部隊がサーパンツホールドから出撃したが、生還できたのは数えるほどであった。 主要都市  三大悪魔が成敗された後、大評議会がひとつの決定を下した。それは、ブリタニアの人々に精神的目標を与えるために、8つの主要都市にひとつずつ、ひとつの徳の精神を割り当て、それを研究、追及させるということだった。8つの主要都市とは、ブリタニア統一前に都市国家として独立していた町である。現在ではどの町も、与えられたひとつの徳の原則を最大の敬意をもって守っている。8つの都市に割り当てられた8つの徳は、ブリタニアの王冠に散りばめられた宝石のように、ひとつひとつが独自の光を放つようになった。それぞれの都市のそばには、その都市が堅持する徳を祭った神殿が建てられている。 誠実の町 ムーングロウ  ベリティー島の南端に位置するムーングロウは、誠実で高潔な心を持つ人々が集う町である。ライキュームの図書館に近いことや、宿泊施設やサービスなどの価格が全国で最も安いなどの理由で、魔法使いや学者は、ムーングロウの港をよく利用している。 慈悲の町ブリテイン  ブリタニー湾の臨海地域に広がるブリテインは、余の城からも一望できる。さまざまな目的を持った旅行者の、また多種多様な物流の中心地である。ここを訪れる者はみな、町の住人の慈悲に満ちた歓迎に心をなごませることであろう。ブリテインの一般商店、宿屋、武具商などはどれも全国に名だたるものばかりであり、旅の準備をする者や、長い旅から戻った者で常に賑わっている。伝統あるウェイファラー旅館は、冒険家の第二の我が家として親しまれている。 勇敢の町ジェロ一ム  ブリタニアで最高と謳われる戦士は、ほとんどがこの町の出身である。ジェロームはブリタニアの南西に浮かぶバラリアン諸島の本島にあり、宿屋、飲食店、武具店があり、造船業も営まれている。 正義の町ユー  ブリテインに次ぐブリタニア第二の規模を誇る都市である。ここは我が国の司法の中心地として、最高裁判所が設けられている。町を取り巻くディープフォレストの森の木陰では、ドルイド僧や哲学者たちが、司法とは正義とはいかにあるべきか、といった難解な課題を抱え黙想する光景をよく見かける。大きな酒場や、品揃えの多い武具店、それに薬草店もある。 献身の町 ミノック  ブリタニアの北部、失望の入江の入口に位置するミノックは、住む家もない貧しい者や恵まれぬ者たちを温かく迎えている。ミノックはまた、金属加工、武具、ガラス細工、精密機械などの工芸職人の町としても名高い。 名誉の町トリンシック  誉れ高いパラディンの故郷として、また、勇気と真実に身を捧げる人々の町として知られる、ブリタニアの南部、英雄の岬の北に位置するのどかな町である。また、旅人にとっては、買い物や休息の場所として利用されている。特にトリンシックの馬屋には上等な馬が揃っている。旅を急ぐ場合は馬を使うのもよかろう。 崇高の町 スカラブレイ  神秘的な幽霊の森の近くに位置するスカラブレイは、ブリタニアの崇高な精神の中心地であると言われている。この“崇高”という言葉はさまざまに解釈できる。この町の住人の中でも、治療師や魔法使いや僧侶などの一握りの人々が、それを魂の問題として捕えているのに対し、一般の住民は少々違った意味に捕えているようだ。スカラブレイ特産の“崇高”な香りのワインもそのひとつである。 謙譲の町 ニューマジンシア  驕り高ぶった自尊心のために一度は滅亡したマジンシアは、人里離れた場所で土を耕す素朴な生活を好む謙虚な人々によって、ニューマジンシアとして再建された。あれから長い月日がたち、廃虚は勤勉の町に生まれ変わったのである。自尊心に溺れんとする者は、ニューマジンシアの教訓を思い出してほしい。 その他の地域拠点 バッカニーアズデン  海賊の住み家という名前のこの村で、悪名高い海賊や盗賊に無関係な住人を探すことは難しい。そのような物騒な町でありながら、珍しい物品を求めて多くの旅人が、ポーズのはるか東の島この小さな村を訪れるのである。バッカニアーズデンの港は常に、全国各地からさまざまな品物を積んで寄港する船で溢れている。 コーブ  失われた湖の南に位置する秘境の村である。多くの治療師や魔法使いや錬金術師などがここから生まれている。 ポーズ  ブリテインとトリンシックの中間に位置する海辺の村である。食糧補給、休息、馬の交換など、旅人の恰好の中継地点となっている。ポーズの沖に見える死の沼と呼ばれる島では、その毒沼からマンドレークやナイトシェードといった魔法に欠かせない貴重な秘薬が採取できるため、魔法使いがよく訪れる。 血塗られた平原  コーブの北東、山地を横切る巨大な2つの沼に挟まれた地帯にブリタニア史上最も凄惨な戦いがあった古戦場、血塗られた平原がある。幾千もの勇敢な戦士たちの血を吸った平原の土は、永遠の鎮魂碑としてそこに横たわっているのである。だが一方、魔法使いにとっては、マンドレークやナイトシェードが採れる恵みの平原となっている。 アバタールの島  まさに大自然の驚異とも言うべきアバタールの島は、究極の知恵の写本がグレート・ステイジアン・オブ・アビイスから持ち出された後にできたものである。地底が地上に押し上げられる形で出現した島は、無数の火山口と水蒸気を吹き上げる噴気口を有する荒涼とした土地であるが、硫黄の灰の採掘地ともなっている。ここに建立されたアバタールの神殿には写本が安置されているが、よほどの危険を覚悟しない限り、容易には近づけぬ場所である。 ブラックソーン城  この、シャドーロードに仕え名を汚したブラックソーンの悪の遺跡を訪れる者の数は、今日ではめっきり減っているが、鬼才の魔法使いスーテックがこの城を隠れ家としているとの噂がある。そこでスーテックが何をしているのかは、余も知らん。 ドライランド  血塗られた平原の東に広がる砂漠地帯である。かつて、ペスパーといいう集落が存在したが、いまや住む人はいない。なぜ砂漠となってしまったかは、今もって謎である。 市民生活  ブリタニアの市民は、度重なる秩序と条理への挑戦に耐え生き抜いた人々である。彼らの家系はソーサリアの都市国家が生まれる以前、住民のほとんどが素朴で勤勉な農民であり、その一方でドルイド僧や魔法使いたちによる簡単な領地同盟が盛んに結ばれていた時代にまでさかのぼる。古代の名残は、国中いたるところに見ることができる。そのひとつ、古代文字は、場所によっては今日でも使用されている。  ブリタニアを旅すれば必ず、古代のルーン文字で書かれた標識や看板を目にすることになる。親から子へ代々受け継がれてきたルーン文字は、古代ドルイド憎が使用していた言葉の直接の子孫なのである。一見してまったく解読不能に思われるルーン文字も、読み方は意外に簡単である。下の表を参照されたい。このように、現在のアルファベットに変換することで、ルーン文字は現代の言葉として読むことが可能になる。 市民との交流  それが畑で働く農夫であれ、ライキュームの研究者であれ、彼らと語り合えば、ブリタニアの市民が実に雄弁で幅広い興味を持っていることに感銘させられるであろう。この善良なブリタニア人気質は、徳の原理を固く守り続けることによって数世代の間、比較的平和な時代が保たれたことによると考えられる。  ブリタニアでは、初対面の人間に対しては、まず名前と仕事を聞くのが礼儀とされている。あらゆる話題に関して、持てる限りの知識を伝えようと努めてくれるであろう。また、貴君の質問にも、できる限り答えようとする誠意を示してくれるであろう。朴訥とした農民やうらぶれた浮浪者の言葉にも、貴君にとって重要な情報が含まれている場合が多い。人々との会話で得た情報は宝である。忘れないうちに記録しておくことが賢明である。  またブリタニアの人々は助言や情報を快く与えてくれるばかりではない。パーティーに加わるように要請すれば、冒険好きな市民なら喜んで貴君の仲間になってくれるであろう。強い仲間がいれば、それだけ旅の結果も好ましいものとなる。それゆえ、仲間はよく吟味することだ。  商人はみな大変に商売熱心である。貴君に必要な商品やサービスを揃えて待っていてくれる。また、条件によっては、貴君が所持しているものを買い取ってもくれる。気軽に店に入り、何が欲しいかを店員に告げるだけでよい。すぐに必要なものが見つかるであろう。また、売却したいものがあれば、その旨を店員に告げれば、店員は真剣に買い取りを検討してくれるはずである。  しかし、すべてのブリタニア人にとって商業は、得てして自尊心を生むという好ましからざる面も持つ。そのため、常に細心の注意をもって行なわなければならない業種でもある。 経済  ブリタニアの商業活動を支えているのは、多岐にわたる職業や技術の複雑な相互依存のシステムである。この相互依存こそ、ブリタニアの経済を発展させ、緊急事態を予測した十分な蓄えと供給を可能にしている。 農業  ブリタニアが高度成長をとげる以前から、農業と畜産が我が国の経済の基盤であった。我々が日常口にするパンは、農家が栽培した穀物を製パン業者が購入してパンに焼いたものだ。食品店や酒場で我々の食欲を満たしてくれる肉や乳製品は、畜産農家が育てた牛からとれるものだ。また、羊飼いから羊毛を買った織物業者は、羊毛を織物に加工して製品の販売に精を出す。この他にも例を挙げれば枚挙にいとまがないが、ブリタニアの基盤は、いつまでも変わりなく土に汗する労働の上に成り立っているのである。 商業  ブリタニアの商人はみな、実に商売熱心で、サービス精神旺盛である。店の軒先には、それぞれの店の業種と、彼らのプロとしての誇りを表わす看板が掲げられており、それはあたかも、道行く人々を大声で招き寄せるかのごとくである。ただし、営業時間外は、余の保証の限りではない。 武具店  我が国の安全保障の上で、武具店は大変に重要な役割を果たしている。武具職人や鍛冶屋の大切な雇用の場ともなっており、戦う人々に多種多様にして高品質な武具を供給しているのである。また、多くの武具店は、古い武具の買い取りにも快く応じてくれる。ただし、買い取り価格は売値価格を大きく下回るのが普通のようだ。 馬屋  旅なれた者なら、長く厳しい行程を踏破せねばならぬとき、馬があればどんなに助かるかを知っているはずである。一般に馬屋は、小さな町や村、または適正な価格で一般客に馬を売りたいと欲する個人の邸宅などにある。 食料品店・酒場  大きな町には、ほぼ必ず一般客を相手に食糧や飲み物を販売する店が1軒はある。店によって扱う商品は異なるため、貴重で珍しい商品を扱う店を見つけたなら、しっかりと記録を付けておくよう助言する。それが意外に役に立つのである。酒場では、冷たい黒ビールが喉を癒し、キジやマトンといった上質な肉料理を堪能できる。さらに、陽気な楽士が奏でる音楽や、気さくな主人との会話も楽しみのひとつだ。 診療所  豊かな景観に恵まれたブリタニアの大自然は、しかし、同時に数々の危険をはらんだ場所でもある。怪我や病が旅人を襲うこともしばしばである。だが安心されよ。ほとんどの町には、特別な医術の訓練を受けたプロのヒーラーが診療所を開いている。そこで受けられる治療は、解毒や戦闘で負った傷の手当である。魔法を利用した治療を行なうところも少なくなく、そのような診察所では、死者の蘇生まで行なっている。 魔法商  この超自然現象を専門に扱う店を覗くのは興味深い。毒々しい色の液体を満たした瓶、不思議な光を放つ棒や笏、魔法使いが目の色を変えそうに積み上げられた薬草や貴鉱物などの秘薬などが、独特の装飾が施された棚に無雑作に並べられている。どの商品も貴重で高価なものであるため、取り扱い商品は店によって差がある。そのため、何がどの店にあるか、入念な記録を製作しておく必要があろう。 宿屋  長く厳しい一日を過ごした旅人に、安全かつ快適な環境を提供してくれるのが宿屋である。レストランを同時経営している宿屋も多い。宿泊料は宿屋によってさまざまだが、ブリタニアで最も安い宿屋でも十分に安全は確保されているから心配は無用である。 船大工  ブリタニアの臨海地帯に点在する港町では、安定して耐久性の高い船舶の建造で名高いところが数多い。主に川で使用するためのボートにせよ、遠洋航海用の帆船にせよ、必要な船舶の購入にあたっては、店の人間が快く相談に乗ってくれるはずである。また、購入した船舶を使用する前に、その地方の海や風の特性なども開いておくのが賢明である。 ギルド  ある特定の業種の業者で組合を組織し、会員同士で便宜を図り合うのがギルドである。ブリタニアでは珍しいことではなく、各地に存在する。ギルドの店には、未開地やダンジョンの探検などに必要な道具が揃っている。 服飾業  服飾業界は、ブリタニアで最も相互依存度の高い業界である。糸が紡がれ、織物業者がそれを生地に織り、反物として仕立て業者に納入される。仕立て業者は反物を使い、客の体型に合わせて美しい服に仕立てる。この流通過程にうまく入り込むことで、貴君もいくばくかの利益をあげることができよう。服飾業者はポーズに集中している。最高級のワードローブなどは、やはりポーズに限る。 製矢・製弓業  ブリタニア全国に製矢・製弓業者がいるが、中でもブリテインの業者は屈指である。そこで製造される弓用の矢・アロー、クロスボウ用の矢・ボルト、弓、クロスボウは、高度な技に支えられた高級品ばかりであり、全国に知られている。我が国の弓矢製造技術の発展は、イオロ弓店の店主、イオロ・フイッツゾーウェンの功績によるところが大である。イオロとその妻にして弟子であるグエノは、弓術家にとって最良の相談役として尊敬を集めている。 冒険の呼び声  ブリタニアの未開地を旅するには、相当な危険を覚悟しなければならず、それを職業とするならば、不屈の意志を持たぬ限りかなわぬものである。余が与えんとする使命を引き受ける前に、今一度熟考されたい。貴君の前途は遼遠にして危険や逆境との戦いに明け暮れることになる。よって、強靭にして屈強な精神を持ち、鍛練された肉体と信念をもって粉骨砕身、目標に向かえる者たちで組織したパーティーが、余の使命を受諾すべきなのである。だがもちろん、それ以上に、一貫して徳の道を踏み外すことのない人間であることは言うに及ばない。そこで、余はここに、優れた冒険家を育てる専門の道をいくつか紹介する。彼らの能力と、その役割をよく理解しておかれよ。 戦士道  有能な戦士の大半は、サーパンツホールドで戦術訓練を受けている。もちろん、中には貧家に生まれ、訓練を受ける機会に恵まれずとも優秀な戦士になった者もいる。むしろ実戦で腕を磨く彼らのほうが武勇に長け、手柄を立て賞賛されることも多い。戦士の真価は訓練の量で決まるものではない。大切なのは、知識よりも実績に裏付けされた精神なのである。  一般に戦士は、天賦の素質と鉄心の勇気に加え、人並外れた体力と持久力を身につけている。多種多様の武器を使いこなせる技術もあり、まさに、いついかなるときも戦闘態勢を整えた歩く兵器庫である。最も得意とする戦法は、パーティーの先頭に立ち、真正面から敵に攻めかかる形である。この戦法から、好みの武器は必然的に棍棒類や殺傷力の強い両手剣などに絞られる。  入門級戦士は経験を重ねることによって強さと敏捷性が自然に強化されていき、より多くの種類の武器や防具を効率的に組み合わせて使用することが可能になる。本人にとればレンジャーやパラディンといった同胞と楽しくパーティーを組みたいところだろうが、飛び道具や魔法で援護してくれる吟遊詩人や魔法使いも欠かせない仲間となる。 吟遊詩人道  詩人にして楽士、武具職人にしてスポーツ選手、魔法使いにして気高い冒険家。これらはすべて、吟遊詩人の多芸ぶりを表わす言葉である。戦士のような頑強な肉体は持たないものの、一般に戦士よりも敏捷性が高く、手先も器用である。また、身体のこなし同様、頭脳の回転も速い。敏捷かつ正確な指先の動きは、錯雑とした難解なパズルも物ともせず、開かずの錠前もたちどころに解錠してしまう。  彼らはまた、弓の名手として謳われることもあれば、魔法の才を称えられることもしばしばで、戦場では最も多才な戦闘家として活躍する。得意の戦法は、戦線の後方より戦士に足留めされた敵を弓や魔法で攻撃する形である。火花を散らす激しい戦闘においても、魔法の罠に陥り進退窮まれる場合においても、吟遊詩人に感謝する場面は冒険においては珍しいことではない。 魔法道  経験豊かな冒険家であれば、一度ならずともブリタニアの魔法使いの神秘の技に驚かされたことがあるはずである。彼方の草原で魔法使いが奇妙な舞を舞う光景は、余の脳裏に炊きついて離れないはど強い印象を受けた。植物や動物の器官など、魔法には、魔法の原材料となる秘薬が必要なのだが、魔法使いと秘薬商の間で交わされる小声の取り引きは、いつ聞いてもまったく要領を得ない。  見えざるものを見、聞こえざる音を開き、有らざるものと対語する。凡人には感知不能な世界に意識を置く彼らは、まさに古代の聖霊にとりつかれているがごとくである。  誰もが魔法使いになれるわけではない。魔法体質と論理的な説明のつかない能力を血に受けて生まれた者のみが、その特権を得るのである。つまり、魔法使いは“なる”ものではなく、“生まれる”ものなのである。魔法使いに生まれた者は、幼年期をライキューム図書館で過ごし、秘伝の書や図の勉強に明け暮れる。そして、ライキュームの研究室に並ぶ薬草や貴鉱物の瓶や箱を眺めて成長するのである。  魔法使いが愛用する道具や武器は、片時も肌身離さぬ呪文の書の中にある。この書は、難解なルーン文字によって、さまざまな神秘の術の最も効果的な使用の時と場所と方法が記されている。そこから生み出される幻覚や呪文を使用すれば、強大な敵を前に絶体絶命の危機にひんしたパーティーを、敵と対等に戦えるようにすることも可能なのである。戦闘においては、身の安全を確保したうえで必要な準備を整えると、予想だにしない力を放出し、敵の意表をつくのである。  ある程度以上の能力を身につけた魔法使いは、自然を動かし、因果律を変え、生命を生み、また破壊し物を意のままに操ることができる。魔法に関する詳しい話は、この書の巻末に述べられている。万人の目にさらすことの許されぬ奥儀の記述であるから、十分に注意されよ。 アバタール道  戦士の魂と、吟遊詩人の敏捷な肉体と頭脳、魔法使いの神秘の力を兼ねそなえ、長い年月をかけて徳の原則を会得した者、それが聖者アバタール、貴君のことだ。貴君は来る日も来る日も、香の煙に包まれ神格のマントラを唱え、朝の瞑想を続け、同時に戦闘の匂いと音にも血を沸かせてきた。神殿も戦場も、どちらもアバタールの生まれ故郷なのである。  完璧の模範として、貴君は常に、貴君をとりまく世界の情勢を総合的に理解している必要がある。そのためには、ライキュームの図書館にこまめに足を運び、ムーングロウやユーの識者との懇談を日課とすることも大切である。だが、学術的研究に没頭するあまり、一般社会との接触を遠ざけるようなことがあってはならない。このブリタニアの同胞に、また困窮する者たちに己を帰依することこそすべてであり、承知のごとく、徳の原則は、我ら全人類の個人的つながりの中で我々を導くことにあるからだ。  貴君の前途には計り知れぬ危難と膨大な報酬が待ち受けている。しかし、そのどちらにも心を奪われてはならぬ。永遠に知ることのない未知の力に導かれるままに、その先にいかなる運命が待っていようと、この最も崇高なる道を歩むことこそアバタールの至上の使命なのである。 パーティーによる冒険  いかに武勇に長け強健な人間であろうと、あらゆる障害をひとりで切り抜けることは不可能である。そこで、気の合う仲間を召集することによって、質量ともに力が増し、異なった能力の統合が実現する。アバタールを中心に、戦士と吟遊詩人と魔法使いが力を合わせるならば千軍万馬、無敵のパーティーとなるであろう。  貴君の知識と技をもってして、パーティーの信頼を維持する限り、メンバーはみなひとつの目的に向かって行動する。ときには、単独行動に出た仲間の帰りを待って気を揉むようなこともあろう。敵の痕跡を追跡したり、急流にかかる朽ちかけた橋の強度を調べる場合など、ひとりのメンバーを単独で行動させることは有効な策であるが、あまり長きにわたる単独行動を強いるのは賢明ではない。適当な時期にパーティーに呼び戻し、全員で前進するのが最も堅実かつ安全な方法である。  旅を続けていると、自然に持ち物が増えてくる。町や村で必要な物資を購入することもあろうし、重要な物品を拾うこともあろう。また、戦いの後に敵の亡骸より戦利品を回収することもあろう。持ち物が増えてしまった場合は、メンバー間でなるべく均等に分担して運ぶのがよい。互いを気遣い、負担を分かち合うことによって、パーティー全体の行動を助けることにもなるのである。 ブリタニアの交通  ブリタニアを旅する手段は多岐にわたる。一般の旅人でも特に旅なれた人々は、常に数種類の手段を用意している。馬もそのひとつである。馬屋は小さな町や村によく見かけられる。馬に乗れば、その機動性の良さはすぐに実感できるであろう。そればかりではない。パーティーの進行を阻む敵に遭遇した場合にも、そのありがたみがわかるであろう。荒波さかまく大洋の横断を余儀なくされる旅もある。海に面した町などにはよく船大工が店を出しているから、目的に合った船舶を購入するとよい。また、空気よりも軽い機械を使って空を旅する方法を模索する冒険的な研究家もいると言われている。だが、これは噂の域を出ない。 パーティーによる戦闘  旅を続けていれば必ず、人を傷つけ苦しませることだけを目的とする悪党や怪物と遭遇することになるから、覚悟はしておくように。ブリタニアに棲息する数ある生物のなかの一種類に遭遇し対決となった場合は、まず相手の強さと敏捷性がどれほどかを見定め、同時に戦法と耐久力を観察することが大切である。  敵の戦法もさまざまである。接近戦を得意とする者もあれば、遠くから飛び道具で狙ってくる者もある。魔性の生物は魔法や幻覚を操るから油断はできない。戦いに勝利したならば、貴君が与えた鉄槌の見返りとして、倒した敵が所持していた金品を回収することができる。  戦いの旅で生き抜くためには、パーティーの戦術に工夫を凝らすことも大切である。そして、戦闘を開始する前に各メンバーの配置を決めておく。配置には、前衛攻撃、側面から攻撃を加える側攻、後衛の3種類がある。このどれかに決めておけば、戦闘状態に入ったときに、各メンバーは決められた配置に展開し、自主的に攻撃行動をとるのである。  特殊な作戦を展開する場合などは、配置にこだわらぬ戦法も必要になる。たとえば、各自に独立した行動をとらせる戦法もある。メンバーを突撃させなければならない状況もあろう。また、遊撃を命じられたメンバーは、認識しうる絶圏内で、最も強力と思われる敵に向かって攻撃する。  戦闘に際して、魔法使いは特別な配慮が必要だろう。魔法による攻撃は戦況を有利に展開する上で非常に効果があるが、相手によって同じ呪文でも効果が変わるので注意しなければならない。そのため、それぞれの呪文をよくよく慎重に理解しておかなければ、貴重な秘薬と魔法のパワーを浪費してしまうはめになる。 パーティの休息  長旅や度重なる戦闘による疲労で体力の低下が自覚されたなら、安全な場所にキャンプを設営するとよい。キャンプが張れるのは町の喧騒の届かない場所と決まっている。夜の冷えた空気をキャンプファイアーで追い払い、吟遊詩人が語る物語や歌を聞きながら携帯食糧の夕食、やがて空腹が満たされると、明日の新たな挑戦のためにしばしの睡眠をとる。睡眠には、旅や戦闘で受けた怪我を癒す働きが微弱ながらあるとされている。  キャンプの際には、ひとり見張りを立てておくとよい。他のメンバーが睡眠中に不測の事態が起こった場合などに全員を起こすことができるからだ。見張りは眠ることができないため休息がとれない。そのため、その日に見張りを買って出た者のために、次の晩もどこかにキャンプを張り、今度はその者を休ませてやる配慮が必要である。 経験とレベルの昇格  見知らぬ土地を歩き、人々と語り、謎を解き、目的を果たす。旅はこのような機会を与えてくれる。これらの経験を重ねるうちに、貴君の肉体的強さや敏捷性、それに知能は少しずつ向上する。そして、より充実した旅ができる余裕が生まれるのである。  ただし、実際に能力を向上させるには、徳の神殿に参り瞑想する必要がある。祭壇に語りかけるがよい。祭壇は貴君の語りかけに応えて指示を促す。そこで正しいマントラを唱え瞑想するのである。 宇宙論  ブリタニアの2つの月の重力は、繊細な織物のごとく時間と空間の構造との間に超宇宙的影響を与えている。月の重力が時空の糸を引くと、あたかも大宇宙が操り人形を踊らせるごとく、地上に輝くムーンゲートを出現させる。それは光の通路の出入口とも言うべきもので、その光中に歩み入るならば、貴君は他の時空間に瞬間移動できるのである。一般にムーンゲートは、外宇宙から飛来したムーンストーンと呼ばれる鉱石が埋蔵された地点に現われることになっている。また、ムーンゲートには、青と赤の2種類がある。  青いムーンゲートは、ムーンストーンによって発生させられるもので、ひとつの世界の中だけで通路網が作られる。  人知を超えた大宇宙の営みでありながら、しかし、その力は意外に限定的であり、移動目的地はムーンストーンのある場所に限られる。しかも、どのムーンストーンの場所に到着するかは、移動時点で頭上に現われている月の相によって決定されるのである。長年の調査と観測の結果、現在では、ムーンストーンと月の相の関係はほぼ明らかにされており、それを正しく認識するならば、ムーンゲートを交通機関として有効に利用することができるようになっている。  赤いムーンゲートは、ムーンオーブから作られた珠によって出現させられるもので、ブリタニアのいたるところに移動でき、その通路はブリタニア以外の世界にも開かれているとも言われている。余も赤いムーンゲートをしばしば利用するが、いまだ解明されていない点も多く、今後の研究に期待が持たれるところである。 0−新月 1−三日月 2−上弦 3−九日月 4−満月 5−二十日月 6−下弦 7−二十三日夜月 魔法使いの奥義  確かにムーンゲートは壮大にして神秘的現象であるが、ブリタニアの神秘現象は決してそれに留まるものではない。我が国には、通常の人間の能力を遥かに超え、神秘の知識が豊富な魔法使いが数多くいる。鋭い直観力と飽く無い実験、それに古文書の厳密な研究によって、彼らは自然の創造力あるいは破壊力の操作法を身につけているのである。  魔法使いの命は呪文の書である。そこには、さまざまな呪文と、その秘薬の処方などが書き込まれており、数々の驚異の術を生み出す彼らの必須の道具なのである。では、魔法の奥儀を伝授しよう。ここに述べるのは、特に高位の魔法使いのみ知ることのできる情報である。 呪文の体系  魔法のエネルギーは、それぞれの表面に作用する目に見えない力で同心球状に整列させられた8つの網状光球によって構成される構造体である。呪文を唱える際は、魔法使いはこの球の中心に立ち、適切な光球の表面に手を伸ばして呪文に必要なエネルギーを引き出すのである。このとき、片手に呪文の書を、もう片手に呪文の触媒となる薬草などの秘薬を詰めた小瓶を持つ。これで準備完了である。呪文を唱えると、物質とエネルギーが融合して現象が引き起こされる。このとき術者の体からは膨大な精神力が消費されるが、呪文の結果がもたらす喜びはそれを補ってなお余りあるであろう。  だが当然のことながら、よいことばかりではない。魔法の危険性や力の制御の難しさなども知っておく必要がある。次の2点のことを常に心にとめておかれたい。  第一に、呪文がうまく唱えられ万事成功したかに見えても、当初の期待どおりの結果が得られない場合もある。また、ある特定の条件のもとにおいてのみ成功するような場合もある。また、呪文をかける対象が、人間の目には見えない力場や霊的障壁に取り囲まれている場合などは、呪文を跳ね返されてしまうこともある。魔法に対する抗体を備えた生物もいる。そのような相手には、魔法以外の方法を見出さなければならない。  第二に、呪文には、ひとつの対象にだけ効果があるものと、複数の対象に効果を及ぼすものとがある。注意すべきは広範囲にわたって複数の対象に効果のある攻撃の呪文である。これを使用する場合は、その有効範囲内に味方の人間がいないことをよく確認することが大切である。 呪文の化学  呪文に使用する秘薬は、呪文を唱えた瞬間にその化学反応が最も活発になるよう、使用の直前に調合するものとされている。秘薬と一口に言っても、魔法店などで誰にでも入手できる一般的な薬草や鉱物から、危険な辺境の地で採取しなければならないような、貴重な苔や植物の根などさまざまである。  ここに、呪文に使用する秘薬を紹介しよう。 黒真珠  秘薬として価値のある黒真珠が採れる確率は1万分の1と言われている。一般に使用する直前に細かく虹色に輝く粉末にひかれる。“推進力”を生み出す効用がある。 血の苔  苔と呼ばれているものの、実際には魔気に包まれたスピリットウッドの“森”に棲息する菌類である。倒れた樹木のはがれかけた樹皮の下などに見られる。移動性運動性を増強する効果がある。 にんにく  一般家庭でも馴染みの深いスパイスだが、悪霊や黒魔術などを寄せつけない効果がある。秘薬として使用する場合は、よく洗ったかけらを熱した2枚の鉄ごてに挟み、すり潰すようにして辛い“ペースト”に加工する。 朝鮮人参  古代ソーサリアの治療士の記録にも、朝鮮人参の強い治癒力に関する記述が多く見られる。渓流の水を使って“40回”ほど煎じつめることによって抽出される強い刺激臭のある純粋エキスを、秘薬に用いる。 マンドレーク  魔法使いが最も貴重とする秘薬として知られるマンドレークは、淀んだ沼の端の肥沃な壌土に棲息する。採取の際は、生薬成分の多くが集中している主根を痛めないように注意深く掘り出すことが肝心である。秘薬の精製法は次のとおりである。主根は厚い皮に包まれているものの、取り扱いによっては痛みやすいため、丁寧に皮を取り、先の細い“銀”のフォークで綿花状の芯を掻き出す。掻き出した芯を純水で1時間を越えないように煎じたあと、よく乾かして密閉容器に保存する。これには、呪文の効果を強める働きがある。 ナイトシェード  幻覚や毒を応用した呪文には欠かせない幻覚作用のあるキノコである。夜の間のみ沼地で見られるという特徴を持つが、柄の部分を潰したときの傷の入り方で他の種類とは簡単に区別できる。固い柄の部分を残して“傘”の部分のみを採取し、その裏側に付着している胞子を秘薬として使用する。また、これはひき肉料理にまぜたり、煎じて苦みのあるお茶にすることもある。 蜘蛛の糸  蜘蛛の巣から1オンスの糸を集めるには相当に根気のいる作業であるが、これが呪文にもたらす拘束力の有用性を考慮すれば、苦労に値して余りある。どの種類の蜘蛛の糸でも、秘薬としての効力は変わらない。そのため、大蜘蛛の巣を発見すれば、採取の時間が節約できる。無数の蜘蛛の糸が採れると噂されている“洞窟”を探してみるのもよかろう。 硫黄の灰  高エネルギーを必要とする呪文に用いられる。噴火によって作られるため、“火山”で採取される。純度を高め、また調合をしやすくするために、なるべく新しいうちに目の細かいふるいにかけておくことが望ましい。 魔法の響き 呪文の言葉  呪文を構成する音節は、師匠から弟子へ、世代ごとに伝授されてきた。魔法使いの弟子がまず最初に習うのが、この音節の意味である。しかる後に、その唱え方を学ぶのである。  己の吐き出す声によって自らを瞑想状態に入らしめ、魂を潜在意識下に導くことが、魔法を使用する際の第一段階として欠かせぬ行動となっている。音節の正しい発音方法は、息を深く吸い込み、ひとつひとつの音節をはっきりと力強く発音することである。 26音節とその大意 An……打消し・消散 Bet……小さい Corp……死 Des……低い・下 Ex……自由 Flam……炎 Grav……エネルギー・場 Hur……風 In……作る・生み出す・起こす Jux……危険・罠・苦痛 Kal……呼び出す Lor……光 Mani……生命・治療 Nox……毒 Ort……魔法 Por……動作 Quas……幻(まぼろし) Rel……変化 Sanct……防御 Tym……時間 Uus……上る・上 Vas……大きい Wis……知識 Xen……生物 Ylem……物事 Zu……眠り  呪文は、これらの音節の組み合わせによって形作られる。実際の呪文の一覧表は、この書の巻末にあるので参照されたい。我々が今日知り得る限りの呪文の集大成ではあるが、それがすべてではないことを、一言付け加えておこう。 あとがき  本書に記された内容をよく心に刻むと同時に、長い旅で体験するであろうさまざまな事柄の理解を深めるためにも、必要な場合はいつでもこの書を開くよう習慣づけられることを望む。  言葉での説明に加えて、余は貴君のためのブリタニア地図を王宮地理院に製作させてこれに添付した。ブリタニアには危険な地域が多く存在する。この地図をもとに、くれぐれもブリタニアの地理に親しんでほしい。この広い世界で迷うこともしばしばであろう。そのようなときは、近くに道や川を見つけ、それをたどっていくとよい。そうすれば、いずれ見覚えのある地域に出るはずである。  旅の記録は忘れずにつけるよう重ねて助言しておく。ブリタニアの良民との会話は、必ず記録すること。標識や看板、読んだ本や巻物の内容なども、書き記しておくべきである。  さらに、食糧などの必需品が手に入る場所なども記録の対象となる。そのときは無価値と思われても、後になって重要な意味を持つものも少なくない。探し物があれば、躊躇することなく、会う人間に聞いてまわることだ。貴君の運命を左右する情報の多くは、人が握っているのである。  最後に、ライキュームの学識者たちから送られた最新情報を伝えておこう。我が国を侵略しつつあるガーゴイルの行動に、ひとつの法則が顕著化してきたのである。どうやら彼らは、8つの主要都市の近くにそれぞれ建立されている徳の神殿を狙っている。そして、ひとつの神敗を占拠すると、その祭壇にムーンストーンをひとつ置き、ムーンストーンが盗られるのを防止するために、強力なエネルギーフィールドでそれを包んでしまう。そこで貴君は、取り急ぎ徳の神殿を解放し、そこで瞑想を行ない啓示を受けてほしい。それが、最初に貴君がやらなければならないことだ。  どうか、急いでほしい。そして、最後の神殿が落ちる前に、ガーブイルの真意がどこにあるのかを突き止めるのだ。貴君が、ブリタニア最後の望みなのだ。 付録 戦闘のための道具  一般の旅行者のみならず、勇敢さを看板にする騎士や冒険家であっても、適切な武器と防具の装備なしにブリタニアの危険地域に侵入することは自殺行為と言わざるをえない。鎧(アーマー)、兜(ヘルム)、盾(シールド)、魔法の指輪、アミュレットなどの防具と、自分に合った武器は、できる限り常に身につけておくことが望ましい。 防具  子算が許す限り最高の防具を装備するのが冒険家の鉄則である。防具と一口に言っても、安価だが防御力もそれなりの布の服から、高価だがそれだけ防御力も高いプレートメイルなど、多種多様である。武具店に行けば、商品を自分の目で確かめることができる。店を大いに利用し、自分の体力や戦術に合った防具を選ぶよう心掛けたい。 ヘルム  無防備の頭部は、敵が振り回す剣の恰好の標的とされる。皮革製から金属製まで、兜にもいろいろあるが、戦いの気配が感じられる地域では常に着用しておくべき装備である。 シールド  盾は、敵の攻撃をかわしたり受け止めたりする場合に大変有効な防具である。両手を使う重武器を使用する場合を除き、常に片方の手に装備しておきたい防具である。 武器  武器の種類は非常に多く、ここですべての種類と使用法を説明することはできないが、戦士が戦闘の前にしておかなければならない唯一にして最も重要な準備は、その戦闘に適した武器の選択である。選択のポイントは、予算やその他の条件が許す範囲内で、最も大きなダメージを最も広範囲の敵に与えることができる武器を選ぶことである。 ダガー  接近した敵には突き刺したり切りつけたり刀剣類として使用でき、離れた敵には投げつけることで飛び道具ともなる便利な武器である。価格は武器のなかでは最も安く、軽量である。 マンゴーシュ  ダガーに似ているが、これは敵の攻撃をかわす防具としての機能も備えている。ただし、ダガーのように飛び道具として敵に投げつけることはできない。 ソード  戦士が主武具として愛用するのが剣である。この中には、普通にソードと呼ばれている標準的なものと、両手を使うものとに大別される。ソードは、どこでも見られるものであるが、大変に強力な武器である。両手で持つ大型の2Hソードは、特に力の強い者のための重武具である。ソードを購入する際は、必ず現品を確かめるよう習慣付けたい。重量や敵に与えるダメージの量は十分に注意を払う必要がある。 飛び道具  理想的な戦術には、まだ敵が遠くにいる時点での射程距離の長い飛び道具の使用が必ず含まれる。短剣、スピア、投げ斧、油ビンなどは、どこでも手軽に使えて便利である。それに対して、ボウやクロスボウなどは威力は絶大だが、両手がふさがれてしまうことと、標的に凍近しすぎた場合は逆に効率の悪くなるという短所もある。また、道端の石が弾になるという手軽さから、旅行家にはスリングを愛用する者が多い。 棍棒類  刀剣類や飛び道具は、それを扱う者の動作がいかに素早いかによって威力が決まるが、それに対して、棍棒の類は扱う者の力の強さによって敵に与えるダメージの量が変わる。多くの騎士はメイスを愛用し、特に力のある戦士は、巨人の一撃にも匹敵する両手武器である2Hハンマーを好む。 鉾類 硬質の木材や金属の棒の先に刀身や鉄球などを付けた類のもの。無数の突起を持つ鉄球と棍棒を鎖でつないだモーニングスターもこれに分類される。モーニングスターやハルバードなどの鉾類の長所は、殺傷力の大きさに加えて、離れた敵を攻撃できることにある。短所は、素早い身のこなしと強い腕力の両方を備えた者でなければ扱えないという点であろう。 生物図鑑  平原、森、海、ダンジョンなど、ブリタニアのいたるところに、さまざまな生物が棲息している。これまでに、ブリタニアの全生物を網羅した生物図鑑の製作を試みた者は数知れないが、完成を見たものはない。生物の中には危険な種類も多く、それをすべて観察することは、命がいくらあっても足りない至難の業なのである。この図鑑は、危険で珍しい生物を目撃し、生きて帰ることのできた旅行者や冒険家に直接取材して集めた情報をもとに製作したものである。 アシッドスラグ  湿気が多く暗い洞窟の隅などでごく稀に見られる軟体生物。腐食性の体液を分泌し、あらゆる金属を溶解させる。金属の鎧などは恰好の餅食とされるが、襲われた場合に人体が安ける被害は、皮膚に火傷を負う程度である。退治には、通常の武器ではあまり効果がなく、火を使うのが最も有効とされている。 ワニ  好んで人間を襲う習性があり、淀んだ沼などで獲物を待って身を潜めているため、十分に注意が必要である。並外れた体力があり、太い尾を使った攻撃を受けると、大きなダメージとなる。 ジャイアントアント  常に様相を変える砂漠を自然の隠れ家として棲息している。戦闘的な昆虫で、その顎で嗅まれると、人間の胴体などは一瞬にして喰いちぎられてしまうと言われている。 ジャイアントバット  鋭い聴覚と暗視能力を伴せ持ち、夜の闇中も巨体を自由に操り獲物を捕える大型のコウモリである。素早い動きを追って攻撃するのは難しいが、意外に脆弱である。 鳥  一般に害のない小動物だが、身の安全が脅かされたと感じると、執拗に相手の頭を突っついて撃退しようとする。 猫  ペットとして最も人気の高い小動物である。一般にエサやネズミを探して町中や商店の店先などを徘徊する。 コープサー  ダンジョンの深みなどに棲息し、獲物を触手を使って地中に引きずり込む。引きずり込まれた先で獲物にどのような運命が待っているかを語れる者はいない。撃退の手段として今のところ確かと言われているのは、炎である。 牛  食肉や乳製品を提供してくれる大切な資源である。典型的なブリタニアの農村の風景には、穏やかに草を食む牛が欠かせない。 サイクロプス  恐れを知らない一つ目の巨人である。敵に遭遇した場合は、その怪力で巨大な岩石を投げつけるか、さもなくば、オークの大木から作った棍棒を振り下ろす。サイクロプスが歩くと、あたりの地面は地震のごとくに揺れ動くと言われている。これに遭遇して生きて帰れた者はみな、その地響きで早めに危険を察したのが幸いしたと証言している。 デーモン  決して油断ならない魔性の生き物である。桁外れに強い腕力、高い戦闘能力、それに知能も兼ね備え、ほぼ無敵の強さを誇る。さらに上級魔法使いに匹敵する魔法の能力もあり、仲間を召喚して、殺戮や人の魂の操作などを行なう。すでに一度死んだ体であるため、死を恐れることがない。警戒を怠るなかれ。 鹿  日中、森の木陰などでその美しい肢体が跳ね回る様を見ることができる。鹿肉は上質の食用肉であるが、捕獲の際に枝角で攻撃されて重傷を負うことが多いので注意すること。 犬  狂暴な狼の親戚でありながら、一般の犬は大変におとなしい。うさぎ狩の供をしたり、飼い主と食卓を共にするなど、愛すべき動物である。危害を加えるようなことはするべきではない。 ドラゴン  古代より幾度となく伝説の主人公として、大きな翼を広げ、口から火炎を吐き続けている動物である。興奮したドラゴンの鼻孔より吐き出される魔法の炎や毒の息を浴びれば、たとえ百戦練唐の猛者であっても気力を喪失してしまう。ドラゴンといえど不死身ではないため退治は可能であるが、ドラゴンを殺すことは困難を窮める。ドラゴンの巣より盗み出したドラゴンの卵を使った料理が、金持ちの間でもてはやされているという話を開くが、にわかには信用できない。ドラゴンはそう簡単に欺けるような生き物ではない。 ドレイク  ドラゴンの親戚に当たるが、体はずっと小さい。しかし、狂暴にかけてはドラゴンにも負けていない。ドレイクはドラゴンの近くに群れていることが多いため、ドラゴンと対決する場合は、ドレイクの存在を忘れてはいけない。 ガーゴイル  デーモンと間違われることが多いが、ガーゴイルはれっきとした血の通う生物である。地底世界のガーゴイルの集落を目撃して生還した者たちによって多少の情報が得られるようになっている。ガーゴイルには大きく分けて2つの種類がある。ひとつは翼のある支配階級。もうひとつは翼のない被支配階級である。翼のあるガーゴイルは体が大きく、高い知性と魔法の力を有している。戦えば大変に手強い相手となる。翼のないガーゴイルは、体こそ小さいが戦闘ではあなどれない相手である。魔法が使えない分、攻撃は執拗をきわめる。ライキュームでは、あらゆる情報を収集して行なわれているガーゴイル研究が注目を集めている。 ゲイザー  これまでに発見された中でも最も奇妙な生物である。いかなる進化によって生まれてきたものなのかは、謎に包まれている。一般にダンジョンの暗がりに浮遊し、いくつもの目玉で獲物を捕え、ある種の“催眠術”をかける。移動するときにブーンという唸るような音を発することが、冒険家たちの話から知られている。その視界に入ったものは、みな捕食の対象とされるため、ゲイザーが近くにいそうなときは十分に用心することだ。 ゴースト  決まって死者に関連した場所に現われる。代表的な場所はもちろん“墓場”だ。が、その気になればどこへでも移動できる。実体を持たない体にとって障害物は何ら障害にならず、石の壁をもすりぬけてしまう。そのため、幽霊を追うことも、それから逃れることも大変に難しい。体力こそないが、高い機動性と魔法の能力を有するため、戦えば恐ろしい敵となる。 グレムリン  個々の攻撃力は低いが、群をなして行動し数の力で敵を圧倒する。ひとたび囲まれると、次々と荷物から“食糧”が抜き取られ、一瞬のうちに分配され底なしの食欲に飲み込まれてしまう。 ヘッドレス  ある魔法使いが行なった“生体実験”の失敗によって生み出された怪物だと言われている。特殊な感覚器官を備えているらしく、獲物を発見するや、常識を超えた正確さで攻撃を加えてくる。少しでも情けをかければ即座に素手で絞め殺され、同情に感謝されることもなく、むさぼり喰われてしまうのがオチである。 馬  力強く足が速い家畜である。一刻を争って移動しなければならないような場合には、馬ほどありがたい存在はないだろう。比較的手軽に購入できるため、旅の始めに買っておくのもよい。広い草原などで、野生の馬を見かけることもある。野生馬を捕えることはできても、調教は素人には難しい。 ヒドラ  腐敗臭の充満する泥沼がヒドラの恰好の産卵場である。血塗られた平原での大戦では、敵を沼地に追い込み、そこに棲息していたヒドラに敵を襲わせたという話をよく耳にする。概して狂暴な生物だが、しかしその恩恵を受けることもある。ヒドラがいる周辺には、貴重な“ナイトシェード”が見つかることがあるのだ。 羽虫  羽虫が群れをなして飛んでいるような場所にうっかり足を潜み入れようものなら、いつまでもしつこく付きまとわれることだろう。たった1匹の沼蠅にまとわりつかれただけで精神的には十分に疲れてしまう。集団ならば肉体的な消耗も馬鹿にならないほどである。 ミミック  幻覚を使い己を古い宝のチェストに見せかけて、欲に目がくらんだ人間を待ち伏せる。怪しいと感じたチェストは、安全な距離をおいて観察すれば、“毒”を吐きかけるなどして自ら正体を現わすはずである。 モンクバット  猿ともコウモリともつかない空を飛ぶ動物である。地上ではあまり見られないが、ダンジョンの深部などに多く棲息している。地底深く薄暗がりで遭遇するモングバットの姿は、海千山千の戦士も震え上がるほど恐ろしいという。 ネズミ  夜間の食糧調達のために遠征以外に、自分の巣を離れることは滅多にない。おとなしく人に危害を加えるようなことはないが、チーズ工場ではやっかいもの扱いされる動物である。 ウサギ  臆病でおとなしく、耳の長い愛矯のある動物だが、集団で農作物を荒すことが多く、農家にとっては悩みの種となっている。 ジャイアントラット  城の地下などに張り巡らされた下水道の、湿った悪環境で数年にわたり棲息し進化をとげてきた巨大なネズミである。ほとんどの毒に対する免疫があるため、駆除はきわめて困難である。咬まれると、“伝染病”に感染する危険性がある。 リーパー  古代の地殻変動によって地中に埋没した、呪われた“森”の樹木が変異したものと言われている。ダンジョンなどで、1本だけで岩肌に盤根をはった古木の切り株があれば、リーバーであることが多い。不用意に近付くと、節くれだった枝を腕のように振り上げ、魔法の稲妻を投げつけてくる。だが、知恵を使えば恐れるに足らない。意外と簡単にたき火の薪になってしまうであろう。運がよければ、そこに隠された財宝を手に入れることもある。 ロットウォーム  沼地の表面をおおう砂礫層に棲息する無脊椎動物である。さして危険はないが、あまり相手にしたくない生物である。“たいまつ”に火をつけて歩けば、ロットウォームは近付かないと言われているが、定かではない。 ジャイアントスコーピオン  “猛毒の針”をもたげて迫る興奮状態の大サソリを前に平然としていられる人間はいないだろう。そのような状況になったら、ひたすら逃げるしかない。立ち止まれば、その場で命を失うこととなろう。 シーサーパント  シーサーパントは海のドラゴンである。船を見つけると、魔法の“火の玉”や強力な尾ヒレで攻撃をしかけてくる。その姿を発見したなら、すみやかにその場から船を遠ざけることが賢明である。 羊  あらゆる生物の中で最も従順な羊は、日常生活を支える重要な資源である。羊毛は服飾業者や織物業者で利用され、肉は飲食店で利用されている。 シルバースネーク  古代ソーサリアの時代から、シルバースネークは我々の生活とは切り離せない存在である。“墓”や“遺跡”などには、シルバースネークをあしらった紋様が多く見受けられる。最近、ガーゴイルの集落の近くで巨大なシルバースネークの死骸を偵察探検隊が目撃している。探検隊はしばらく観察していたが、ガーゴイルはシルバースネークの死骸から毒液を搾り、戦闘態勢に入る前にそれを飲んだと伝えている。それによって彼らは一時的に戦闘意欲が高揚し肉体的な力も増すが、毒液の効力が失われると同時に命も失うのだという。実際にシルバースネークの毒液がガーゴイルに力をもたらすか否かは、現在、ライキュームで論争の的となっている。 スケルトン  その無表情な目からはとうてい感じとれないが、魂の抜けた骨と筋だけの体を動かす怨念は相当なものと思われる。悪意と怨念に擬り固まった“魔法使い”が死んだ戦士の体を使って作りだした怪物であるだけに、疲れも恐れをも知らずに、ひたすら戦うのである。 スライム  この形のない液状の生物を初めて目撃した人間は、恐怖よりも異様さが先に立つであろう。ダンジョンなどの繩張に侵入者を発見すると、スライムは分裂と結合を繰り返して侵入者を包み込もうとする。通常の武器では文字どおり刃が立たないため、冒険家などはスライム対策として“火”を常備する。 蛇  夜明けと共に岩場の巣から這いだし、太陽の光で体を温め体がよく動くようになると、素早い身のこなしで獲物を捕える。また、遠い獲物に毒液を吐きかけることもある。その狙いは正確で、毒も非常に強い。 ジャイアントスパイダー  地中に強力な巣をはって獲物を待つだけでなく、この巨大種は獲物を探して地上に出てくることもある。武器は強い顎と遠くまで吐きかけることのできる“毒液”である。しかし、攻撃に対しては意外に弱く、退治にはさほど手間取らないはずである。 ジャイアントスクイド  海洋生物の中でも最も危険とされている。その強力な“触手(しょくしゅ)”は、帆船をも絞め潰してしまうのだ。非常に高い攻撃力と耐久力があるため、これを発見したなら、戦闘にひき込まれないうちに安全な水域へ避難することが望ましい。 ダングルバイン  イバラやアザミによく似ているため、これを避けるためには、よほどの注意が必要である。大きな花をつけた中央の幹から鋭い刺のある蔓を伸ばしているのが特徴である。蔓は非常に速い速度で成長するため、うっかりこれにからまれると非常に危険であるが、同時に、ダングルバインが身の危険を感じたときに中央の“花”から放出する眠気を誘うよい香りにも注意しなければならない。 トロル  橋の下などに隠れ、通行人を脅すことを生き甲斐とする野蛮な動物である。しかし、その攻撃力はさほど強くない。これは、“体力”が欠けているためである。よって、その脅威は並と考えてよい。 ウイスプ  無害な“ホタル”と間違われることが多いが、森に出没するウイスプは、謎の多い敵意に満ちた存在である。攻撃力そのものは低いが、瞬間的に移動する能力に惑わされ、ついには小さな傷が大きな致命傷に発展することもままある。 オオカミ 高地や森を旅し、土地の人間に恐れられ、また崇められている気高い動物である。決してオオカミを怒らせてはならない。その“牙”はカミソリのごとく鋭く、狙いは機械のごとく正確である。 魔法の8つのサークル  鍛練と経験を積まぬうちは、魔法使いといえどもごく限られた呪文しか操ることはできないが、成長するにつれ、より高次のサークルに手が届くようになり、より強力な呪文が使えるようになる。だが、高いサークルになればなるほど、呪文に支払う代償も高くなる。つまり、呪文を唱えるごとに、魔法使いの体に蓄えられた魔法の力が、その呪文のサークルの数だけ消費されるのである。たとえば、最も簡単な第1サークルの呪文の消費量は1ポイント、より高度な第5サークルの消費量は5ポイントとなる。消費された魔法の力は、数時間もたてば自然に補給される。 第1サークル 食糧 呪文:IN MANI YLEM 秘薬:にんにく、朝鮮人参、マンドレークの根 効果:数食分の食糧が現われる。 魔法の検出 呪文:WIS ORT 秘薬:ナイトシェード、硫黄の灰 効果:特殊な物品の魔法性や、一時的に魔法を帯びた物品の魔法の状態や種類を識別する。 罠の検出 呪文:WIS JUX 秘薬:ナイトシェード、硫黄の灰 効果:箱やドアなどに仕掛けられた罠を検出する。 解呪 呪文:AN JUX ORT 秘薬:にんにく、朝鮮人参 効果:眠り・毒の状態から対象者を解き放つ。 消火 呪文:AN FLAM 秘薬:にんにく、黒真珠 効果:炎を消す。 苦痛 呪文:AN MANI 秘薬:ナイトシェード、蜘蛛の糸 効果:狙った相手に肉体的ダメージを与える。 回復 呪文:IN MANI 秘薬:朝鮮人参、蜘蛛の糸 効果:傷ついた仲間に体力を与える。 救済 呪文:KAL LOR 秘薬:必要なし 効果:旅の途中、本当の危機に陥った時に使用する。パーティーの全員が、ロード・ブリティッシュの王座の前に健康な姿で復活することができる。 点火 呪文:IN FLAM 秘薬:硫黄の灰、黒真珠 効果:暖炉やろうそくに火を点ける。 明かり 呪文:IN LOR 秘薬:硫黄の灰 効果:暗闇を明るく照らす。 第2サークル 暗視 呪文:QUAS LOR 秘薬:ナイトシェード、硫黄の灰 効果:温血性生物の存在を暗闇で察知する。 魔法の矢 呪文:ORT JUX 秘薬:硫黄の灰、黒真珠 効果:狙った相手に魔法の矢を放ちダメージを与える。 毒 呪文:IN NOX POR 秘薬:ナイトシェード、血の苔、黒真珠 効果:狙った相手に毒液を吹きかける。 物体の再生 呪文:IN YLEM 秘薬:ナイトシェード、血の苔、黒真珠 効果:「物体の消去」で消し去った物体を再生する。 眠り 呪文:IN ZU 秘薬:ナイトシェード、蜘蛛の糸 効果:狙った相手を眠らせる。 念動力 呪文:ORT POR YLEM 秘薬:血の苔、マンドレーク、黒真珠 効果:近くの物体を、手を触れずに移動、または動作させる。 罠 呪文:IN JUX 秘薬:蜘蛛の糸、ナイトシェード 効果:箱やドアに罠を仕掛ける。 魔法の解錠 呪文:EX POR 秘薬:硫黄の灰、血の苔 効果:箱やドアに施された魔法の錠を外す。 解罠 呪文:AN JUX 秘薬:硫黄の灰、血の苔 効果:箱やドアに仕掛けられた罠を外す。 物体の消去 呪文:AN YLEM 秘薬:にんにく、血の苔、黒真珠 効果:小さな物体を消し去る。 第3サークル 鎧の柔化 呪文:AN SANCT 秘薬:硫黄の灰、ナイトシェード、にんにく 効果:敵の防御力を低下させる。また、同時に戦意、思考力を低下させることもある。 フィールドの消去 呪文:AN GRAV 秘薬:黒真珠、硫黄の灰 効果:魔法のフィールドを消滅させる。 火炎弾 呪文:POR FLAM 秘薬:硫黄の灰、黒真珠 効果:狙った相手に灼熱の火の玉を投げつける。 強い明かり 呪文:VAS LOR 秘薬:硫黄の灰、マンドレーク 効果:「照明」よりも長い時間暗闇を照す。 魔法の施錠 呪文:AN POR 秘薬:硫黄の灰、血の苔、にんにく 効果:箱やドアに魔法の錠を施す。 目覚めの霧 呪文:AN VAS ZU 秘薬:朝鮮人参、にんにく 効果:指定した範囲内の眠っている人間を目覚めさせる。 眠りの雲 呪文:VAS ZU 秘薬:朝鮮人参、ナイトシェード、蜘蛛の糸 効果:指定した範囲内の相手を全員眠らせる。 眺望 呪文:VAS WIS YLEM 秘薬:ナイトシェード、蜘蛛の糸 効果:現在いる地点を高空から眺めた映像が見える。また、その中に自分が立っている位置も示される。 防御 呪文:IN SANCT 秘薬:硫黄の灰、朝鮮人参、にんにく 効果:狙った相手の防御力、戦意、思考力を高める。 不死者の解呪 呪文:AN XEN CORP 秘薬:にんにく、硫黄の灰 効果:視野内のアンデッド・モンスターを追い払う。 第4サークル 生命の付与 呪文:ORT YLEM 秘薬:硫黄の灰、マンドレーク、血の苔 効果:物体に生命を与え動き回らせる。しかしその行動は管理できない。 獣の召喚 呪文:KAL XEN 秘薬:蜘蛛の糸、マンドレーク 効果:野性の猛獣を呼び出し、共に戦わせる。 殺傷 呪文:AN VAS MANI 秘薬:ナイトシェード、蜘蛛の糸、マンドレーク 効果:狙った相手に致命的な傷を負わせる。 炎のフィールド 呪文:IN FLAM GRAV 秘薬:黒真珠、硫黄の灰、蜘蛛の糸 効果:炎の壁を築く。 完治 呪文:VAS MANI 秘薬:朝鮮人参、蜘蛛の糸、マンドレーク 効果:狙った1人の体力を完全に回復させる。 位置の探知 呪文:IN WIS 秘薬:ナイトシェード 効果:六分儀を使用したのと同じ位置情報が得られる。 広域解呪 呪文:VAS AN JUX ORT 秘薬:にんにく、朝鮮人参 効果:指定した範囲内で、毒に侵された人間をすべて治寮する。 毒のフィールド 呪文:IN NOX GRAV 秘薬:ナイトシェード、蜘蛛の糸、黒真珠 効果:毒ガスの壁を築く。 眠りのフィールド 呪文:IN ZU GRAV 秘薬:朝鮮人参、蜘蛛の糸、黒真珠 効果:催眠効果のある壁を築く。 操風 呪文:REL HUR 秘薬:硫黄の灰、血の苔 効果:風の向きを変える。 第5サークル エネルギーフィールド 呪文:IN SANCT GRAV 秘薬:マンドレーク、蜘蛛の糸、黒真珠 効果:エネルギーの壁を築き何者も通過できなくする。 爆裂弾 呪文:VAS POR FLAM 秘薬:マンドレーク、硫黄の灰、黒真珠、血の苔 効果:爆発を起こし、附近の者にダメージを与える。、 羽虫の召喚 呪文:KAL BET XEN 秘薬:血の苔、蜘蛛の糸、硫黄の灰 効果:羽虫の集団を出現させ、共に戦わせる。 透明化 呪文:SANCT LOR 秘薬:ナイトシェード、血の苔 効果:指定の者を1人透明にする。 閃光の雷撃 呪文:ORT GRAV 秘薬:黒真珠、マンドレーク、硫黄の灰 効果:狙った相手に魔法の雷を落とす。 麻痺 呪文:AN XEN POR 秘薬:蜘蛛、硫黄の灰、ナイトシェード、黒真珠 効果:狙った相手を一時的に金縛りにする。 窃盗 呪文:POR YLEM 秘薬:血の苔、蜘蛛の糸、ナイトシェード 効果:狙った相手が携帯している品物をひとつだけ盗る。 透明の看破 呪文:AN SANCT LOR 秘薬:蜘蛛の糸、ナイトシェード、マンドレーク 効果:透明化された者を目に見えるようにする。 死者の言葉 呪文:KAL MANI CORP 秘薬:血の苔、マンドレーク、ナイトシェード、蜘蛛の糸、硫黄の灰 効果:死者の魂と話をする。 壁の透視 呪文:WIS YLEM 秘薬:マンドレーク、硫黄の灰 効果:壁などの障害物の向う側を見る。 第6サークル 偽りの性格 呪文:AN XEN EX 秘薬:黒真珠、ナイトシェード、蜘蛛の糸 効果:狙った相手を味方に引き入れる。 複製の創造 呪文:IN QUAS XEN 秘薬:硫黄の灰、蜘蛛の糸、血の苔、朝鮮人参、ナイトシェード、マンドレーク 効果:指定した人間や生物のクローンを創造する。しかし、その行動は直接管理できない。 混乱 呪文:VAS QUAS 秘薬:マンドレーク、ナイトシェード 効果:敵の心理を攪乱する。 灼熱の炎風 呪文:FLUM HUR 秘薬:硫黄の灰、血の苔、マンドレーク 効果:指定の方向に、炎の風を吹かせる。 烈雹の嵐 呪文:KALDESYLEM 秘薬:血の苔、黒真珠、マンドレーク 効果:狙った相手とその周囲に雹を含んだ激しい嵐を巻き起こす。 大いなる防御 呪文:VAS IN SANKT 秘薬:硫黄の灰、朝鮮人参、にんにく、マンドレーク 効果:全員の防御力、戦意、思考力を高める。 魔法の停止 呪文:AN ORT 秘薬:にんにく、マンドレーク、硫黄の灰 効果:一時的に魔法を使えなくする。 毒牙来風 呪文:NOX HUR 秘薬:ナイトシェード、硫黄の灰、血の苔 効果:指定の方向に毒の風を送る。 物体の複製 呪文:IN QUAS YLEM 秘薬:硫黄の灰、蜘蛛の糸、血の苔、朝鮮人参、ナイトシェード 効果:小さな物の複製を作る。 蜘蛛の巣 呪文:IN DES POR 秘薬:蜘蛛の糸 効果:地面に粘着性の高い蜘蛛の巣をはり、敵の進行を妨げる。 第7サークル 迫激の雷撃 呪文:VAS ORT GRAV 秘薬:黒真珠、マンドレーク、硫黄の灰、血の苔 効果:エネルギーの雷を飛び石的に敵に落とす。 魔力の供給 呪文:IN ORT YLEM 秘薬:蜘蛛の泉、マンドレーク、硫黄の灰 効果:特別な道具に魔法の呪文を注ぎ込む。 破壊の疾風 呪文:GRAV HUR 秘薬:マンドレーク、ナイトシェード、硫黄の灰、血の苔 効果:エネルギーの風を指定の方向に吹きつける。 恐怖 呪文:QUAS CORP 秘薬:ナイトシェード、マンドレーク、にんにく 効果:悪性の敵を全員恐怖に陥れ退散させる。 扉への道 呪文:VAS REL POR 秘薬:硫黄の灰、黒真珠、マンドレーク 効果:パーティーを指定の相のムーンストーンがある場所へ瞬間移動させる。 死の雷球 呪文:IN CORP 秘薬:黒真珠、ナイトシェード、硫黄の灰 効果:狙った相手に強力な雷を落とす。 全鎧の柔化 呪文:VAS AN SANCT 秘薬:硫黄の灰、ナイトシェード、にんにく、マンドレーク 効果:敵味方を含む附近全員の防御力を低下させる。同時に、戦意、思考力をも低下させる。 全透明化 呪文:VAS SANKT LOR 秘薬:マンドレーク、ナイトシェード、血の苔、黒真珠 効果:指定した範囲内の者全員を透明にする。 狂える翼 呪文:KAL ORT XEN 秘薬:血の苔、蜘蛛の糸、マンドレーク、硫黄の灰 効果:敵中でドラゴンの翼が暴れ狂う。 千里眼 呪文:POR ORT WIS 秘薬:血の苔、ナイトシェード、マンドレーク、硫黄の灰、黒真珠、蜘蛛の糸 効果:離れた地点や障害物に隠れた場所を手に取るように見ることができる。 第8サークル 殺戮の風 呪文:CORP HUR 秘薬:マンドレーク、ナイトシェード、硫黄の灰、血の苔 効果:狙った方向に命を吸い取る風を吹きつける。 日食 呪文:VAS AN LOR 秘薬:マンドレーク、硫黄の灰、ナイトシェード、にんにく、血の苔 効果:一時的に皆既日食を起こさせ闇を作る。 魅了の衝撃波 呪文:VAS AN XEN EX 秘薬:黒真珠、ナイトシェード、蜘蛛の糸、マンドレーク 効果:附近の敵を複数、味方に引き入れる。 虐殺の閃光 呪文:VAS CORP 秘薬:黒真珠、ナイトシェード、マンドレーク、硫黄の灰 効果:附近のすべての者にエネルギーの雷を落とす。 死者の復活 呪文:IN MANI CORP 秘薬:にんにく、朝鮮人参、蜘蛛の糸、硫黄の灰、血の苔、マンドレーク 効果:死んだ仲間を生き返らせる。 スライム 呪文:VAS REL XEN 秘薬:血の苔、ナイトシェード、マンドレーク 効果:すべての悪性の生物をスライムに変身させる。 悪魔召喚 呪文:KAL XEN CORP 秘薬:マンドレーク、にんにく、血の苔、蜘蛛の糸 効果:地の底から悪魔を呼び出し、共に戦わせる。 時の停止 呪文:AN TYM 秘薬:マンドレーク、にんにく、血の苔 効果:一時的にパーティー以外のすべての時を止める。 地の怒り 呪文:VAS POR YLEM 秘薬:血の苔、硫黄の灰、マンドレーク 効果:地震を起こさせ、附近の者にダメージを与える。